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住宅基礎工事の工程とは?長野県佐久地域の地盤特性から完成まで詳解

長野県佐久市を中心に、住宅基礎工事や外構工事を手掛ける合同会社総建です。
家づくりにおいて、デザインや間取りに注目が集まりがちですが、建物の安全性と寿命を決定づける最も重要な要素は「住宅基礎工事」です。見えなくなる部分だからこそ、一切の妥協が許されません。特に、私たちが拠点を置く長野県佐久地域は、浅間山の火山活動や千曲川の影響を受けた多様な地盤特性を持つため、その土地に合わせた適切な基礎工事が不可欠です。

この記事では、住宅基礎工事の全工程を、佐久地域の地盤特性と関連付けながら、専門家の視点で詳しく解説します。

 

住宅基礎工事が建物の寿命を左右する理由

住宅基礎は、単に建物を地面に固定するだけの設備ではありません。建物の全重量を均等に地盤に伝え、地震や台風といった外部からの力を受け止めることで、家全体の安定性を保ちます。この基礎が脆弱であれば、どれだけ頑丈な建物を建てても、その性能を十分に発揮することはできません。まさに「縁の下の力持ち」として、安全な暮らしを永続的に支える、家づくりで最も重要な工程なのです。

 

基礎が担う3つの重要な役割

住宅基礎には、大きく分けて3つの重要な役割があります。

1. 荷重の伝達:建物自体の重さや家具、人の重さ、さらには積雪の重さといった垂直方向の力を、地盤に均等に分散させて伝えます。
2. 水平力への抵抗:地震の揺れや強風といった水平方向の力に対して、建物が倒壊・変形しないように抵抗します。
3. 地盤からの影響の遮断:地面からの湿気やシロアリの侵入を防ぎ、建物の耐久性を高める役割も担います。

これらの役割を確実に果たすことで、長期間にわたり安全で快適な住環境が維持されます。

 

不同沈下のリスクと基礎の関係

「不同沈下」とは、建物が不均一に沈下することで、家が傾いたり、壁にひび割れが生じたりする現象です。地盤の強度が場所によって異なる場合や、不適切な基礎工事が行われた場合に発生しやすく、一度発生すると修復には多大な費用と時間がかかります。

適切な地盤調査に基づき、その土地に最適な基礎を設計・施工することが、この不同沈下を防ぐための最も確実な方法です。

 

長野県佐久地域の地盤特性と最適な基礎選定

基礎工事の設計は、その土地の地盤特性を正確に理解することから始まります。長野県佐久市、南佐久郡、北佐久郡などの佐久地域は、地形や地質が多様であり、一様な施工方法では対応できません。地域特性を熟知した専門家による判断が、安全な家づくりには不可欠です。

 

浅間山の火山灰土と千曲川流域の地盤

佐久地域の地盤は、主に浅間山から供給された火山灰が堆積したローム層で覆われているエリアと、千曲川とその支流沿いの沖積層(砂や粘土)で形成されたエリアに大別されます。

ローム層は比較的水はけが良く、一般的には住宅地盤として良好ですが、場所によっては軟弱な層が挟まれていることもあります。一方、千曲川流域の低地は、軟弱地盤である可能性も考慮する必要があり、地震の際には揺れが増幅されやすい傾向があります。

地盤の種類
主な分布エリア(佐久地域)
特徴と注意点
台地・段丘(ローム層)
佐久市中心部から御代田町、軽井沢町にかけての山麓部
比較的良好な地盤が多いが、火山性の軟弱層の存在に注意が必要。事前の地盤調査が重要。
低地(沖積層)
千曲川およびその支流沿いのエリア(佐久市野沢、小諸市など)
砂質土や粘性土が混在し、軟弱地盤の可能性がある。地震時の液状化リスクも考慮する必要がある。

参照:防災科学技術研究所 地震ハザードステーション J-SHIS Map

 

寒冷地特有の凍結深度への配慮

長野県佐久地域のような寒冷地では、「凍結深度」への配慮が不可欠です。凍結深度とは、冬場に地面が凍結する深さのことで、この深さより浅い位置に基礎の底盤があると、地中の水分が凍結・膨張(凍上)することで基礎が持ち上げられ、建物の不同沈下や損傷の原因となります。

佐久地域では、地域や標高にもよりますが、十分な根入れ深さ(基礎を設置するために地面を掘る深さ)を確保し、基礎の底が凍結深度よりも深くなるように設計・施工することが法律でも定められています。

 

代表的な基礎の種類「ベタ基礎」と「布基礎」

住宅の基礎には主に「ベタ基礎」と「布基礎」の2種類があり、地盤の状況や建物の構造によって使い分けられます。

 

ポイント

近年の住宅では、耐震性の高さやシロアリ対策のしやすさから「ベタ基礎」が主流となっています。特に佐久地域のように地盤の強さにばらつきがある可能性がある場所では、面で建物を支えるベタ基礎の安定性が大きなメリットとなります。

項目
ベタ基礎
布基礎
構造
床下全体を鉄筋コンクリートで覆う構造。「面」で建物を支える。
建物の壁や柱の下に沿って鉄筋コンクリートを設置する構造。「線」で建物を支える。
メリット
・耐震性が高い
・不同沈下に強い
・湿気やシロアリを防ぎやすい
・コストが比較的安い
・凍結深度が深い寒冷地で根入れを深くしやすい
デメリット
・コンクリート量が多くコストが高い
・耐震性や防湿性でベタ基礎に劣る場合がある
・床下の防湿処理が別途必要

 

 

【全10工程】住宅基礎工事の流れをステップごとに徹底解説

ここからは、住宅基礎工事がどのような流れで進められるのか、実際の工程を10のステップに分けて具体的に解説します。各工程が次の工程に影響を与えるため、一つひとつの作業を丁寧かつ正確に行うことが、高品質な基礎を造る上で不可欠です。

 

① 地盤調査

全ての工事の起点となるのが地盤調査です。スウェーデン式サウンディング試験などの方法で、その土地の地盤の硬さや土質を詳細に調べます。この調査結果を基に、地盤の強度に問題があれば地盤改良工事を行い、建物の重さに耐えられる最適な基礎の設計を決定します。

 

② 遣り方(やりかた)

設計図通りに建物の正確な位置を地面に示す作業です。敷地に木の杭を打ち、水平に板(水貫)を張り巡らせて、基礎の中心線や高さの基準を明確にします。この遣り方がずれると建物全体がずれてしまうため、ミリ単位の精度が求められる重要な工程です。

 

③ 根切り・砕石敷き

遣りに合わせて、基礎を造る部分の土を重機で掘削する作業を「根切り」と呼びます。寒冷地である佐久地域では、前述の凍結深度を考慮した深さまで掘り進めます。掘削後、基礎の底となる部分に砕石(細かく砕いた石)を敷き詰め、ランマーという機械で締め固めて地盤の支持力を高めます。

 

④ 捨てコンクリート・防湿シート

砕石の上に、基礎の強度には直接関係しない「捨てコンクリート」を薄く流し込みます。これは、後の型枠や鉄筋を組む際の墨出し(基準線を引く作業)をしやすくするためのものです。同時に、地面からの湿気が床下に上がってくるのを防ぐための防湿シートを隙間なく敷き詰めます。

 

⑤ 配筋工事

設計図に従って、基礎の骨格となる鉄筋を網目状に組んでいく工程です。鉄筋はコンクリートの引張強度を補強し、基礎全体の強度と耐久性を飛躍的に向上させます。鉄筋の太さ、本数、間隔などが図面通りに正確に組まれているか、厳しくチェックされます。

 

⑥ 型枠工事

組まれた鉄筋の外側に、コンクリートを流し込むための枠(型枠)を設置します。この型枠が基礎の形状を決定するため、垂直・水平に正確に組み立てる必要があります。コンクリートの圧力で型枠が歪んだり壊れたりしないよう、しっかりと固定する技術が求められます。

 

⑦ コンクリート打設

型枠の中に、生コンクリートを流し込む作業です。まず底盤部分(スラブ)に流し込み、次に立上がり部分に流し込むのが一般的です。コンクリート内に気泡が残ると強度が低下するため、バイブレーターという振動機を使って隅々までコンクリートを充填し、密度を高めます。

 

⑧ 養生

コンクリートが設計通りの強度に達するまで、適切な温度と湿度を保ちながら固まるのを待つ期間です。夏場は乾燥を防ぎ、冬場は凍結しないようにシートで覆うなどの対策が必要です。急激な乾燥や凍結はひび割れの原因となり、強度を著しく低下させます。

 

重要工程

この養生期間は、季節や天候によって異なりますが、一般的に夏場で3日以上、冬場では5日以上の期間が必要です。工事を急ぐあまりこの期間を疎かにすると、基礎の品質に深刻な影響を及ぼすため、非常に重要な工程と言えます。

 

⑨ 型枠解体

コンクリートが十分に硬化したことを確認した後、型枠を取り外します。この時、基礎の表面にジャンカ(コンクリートの充填不良)や大きなひび割れがないかなどを確認します。軽微なものは補修しますが、重大な欠陥が見つかった場合は大規模な手直しが必要になることもあります。

 

⑩ 仕上げ・埋め戻し

基礎の周囲に玄関ポーチや勝手口の土間コンクリートを打設したり、不要なコンクリートのはみ出し(バリ)を取り除いたりして、表面をきれいに仕上げます。最後に、根切りで掘削した土を基礎の周りに戻し、締め固めて基礎工事は完了です。

 

基礎工事の品質を担保する重要な検査と基準

高品質な基礎を造るためには、各工程での丁寧な作業に加え、客観的な基準に基づいた厳格な品質管理が不可欠です。特に、後からでは確認できない部分については、施工中の検査が極めて重要になります。

 

第三者機関による配筋検査

配筋工事が完了し、コンクリートを打設する前には、必ず「配筋検査」が行われます。これは、設計図通りに鉄筋が正しく配置されているかを確認する検査です。

施工業者による自主検査だけでなく、住宅瑕疵担保責任保険法人などの第三者機関の検査員が現場を訪れ、鉄筋の種類、太さ、間隔、継手の長さなどを厳しくチェックします。この検査に合格しなければ、次のコンクリート打設工程に進むことはできません。

 

コンクリートの品質を証明する「かぶり厚さ」

「かぶり厚さ」とは、鉄筋の表面から、それを覆うコンクリートの表面までの最短距離のことです。このかぶり厚さが不足していると、鉄筋が錆びやすくなり、基礎の耐久性が著しく低下します。

建築基準法や住宅金融支援機構の仕様書では、基礎の部位ごとに必要最低限のかぶり厚さが定められており、これを遵守することが極めて重要です。鉄筋の下にスペーサー(サイコロ)と呼ばれるコンクリートブロックを設置し、正確なかぶり厚さを確保します。

 

基礎の部位
規定のかぶり厚さ
役割と重要性
耐圧盤(底盤)
60mm以上
地面からの湿気や水分による鉄筋の錆を防ぎ、コンクリートの中性化を遅らせる。
立上がり部分
40mm以上
大気中の二酸化炭素や雨水から鉄筋を保護し、基礎の耐久性を維持する。

参照:住宅金融支援機構【フラット35】木造住宅工事仕様書

 

確かな基礎工事がもたらす未来への安全と安心

住宅基礎工事は、地盤調査から始まり、遣り方、配筋、コンクリート打設、養生といった数多くの工程を経て完成します。そのどれか一つでも疎かにされると、建物の安全性や耐久性に重大な影響を及ぼしかねません。

特に、長野県佐久地域のような多様な地盤特性と厳しい気候条件を持つ場所では、地域の特性を深く理解した上での設計と、基準を遵守した丁寧な施工が不可欠です。

完成後には見えなくなってしまう部分だからこそ、私たちはすべての工程に責任と誇りを持ち、お客様が末永く安心して暮らせる住まいの土台を築いています。確かな技術力に裏打ちされた基礎工事こそが、未来の安全と安心を支える最も重要な礎となるのです。

 

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